子育て支援情報 「食育について」
最近盛んに採り上げられている「食育」という言葉ですが、これは食を通して子どもの望ましい成長をはかると言うことで、「医食同源、食即是医」ともいわれている昔からの言葉です。 要するに、子どもの成長を図るには「望ましい食生活をさせなければならない」ということだろうと思います。 そこで今回は食育について考えてみたいと思います。 |
民族により、家庭によって食事の作法・マナーは異なりますが、子どもの好き嫌いをなくすにはどうしたらよいか・・・という問題は各国、各家庭の共通課題ではないかと思います。
嫌いなものをどうやって好きにさせるか・・・。
①嫌いなものを好きになるまで食べさせる。(強制型・・・乃木将軍の母親型)
※日露戦争の乃木将軍の母親は、嫌いなものを好きになるまで食べさせて矯正したといわれています。
②長い時間をかけ、料理、を工夫しながら次第に矯正する(栄養士型)
③嫌いなものを好きにさせる必要はない(放任型)
①②③共にそれぞれの考え方がありますが、子どもの健康には①と②が良いと思われます。殊に②は理想に近いのですが、幼稚園という集団の中では実行することは非常に難しいと思われます。では①ですが、これは教育上問題がないわけでもありません。受け止め方によっては虐待とも言われかねません。
幼稚園では①+②という考え方で接しております。つまり嫌なら食べなくても良い・・・という自由にはしません。かといって②は不可能に近いので、少しずつ無理なく食べさせるようにしております。
つまり頑張り+努力+褒める=少しずつ好きにさせる・・・という方式で実践しています。その為にはマンツーマンで時間をかけて付き合うという食の指導も行って、少しずつ嫌いなものを少なくしています。従ってお子様によっては「給食が嫌だ!」とか「食べたくない!」「幼稚園に行きたくない!」とか口実をいって好き嫌い矯正に抵抗を示すかも知れませんが、これは乗り越えなくてはならないハードルだと思っています。どうぞご協力下さい。
「いただきます」「ごちそうさまでした」という食物への感謝の気持ちを表す言葉は日本独特のものです。この語の中には、植物、動物の生命をいただくことによって、自分の生命を保つという自然の摂理が含まれています。決しておろそかにはできない敬虔な態度だろうと思います。幼児期にはこの事をしっかりと教え込む必要があります。
「食物は残さない」「好き嫌いを言わないで食べる」「食物への感謝」・・・この基本的三要素を感受性が柔軟な時期にインプットすることができれば、食育の第一歩は成功ということができると思います。
最近、家庭の教育力が低下していると云われております。自由という考えが、好き勝手、気儘、プライバシーなどと置き換えられて、子どもの好みを中心に料理されている家庭が多いといわれていますが、たまには①強制型、そして時間と手間をかけられるならば②栄養士型、を実行してみて下さい。お子様の食に対する意識が変わると思います。
以上食育について私見を述べさせて頂きましたが、この食事としつけ、食物への感謝という2項目のバランスが保たれた時に、食育は功を奏したといえるのではないかと思います。各御家庭と幼稚園の緊密な連絡により、是非実現したいと思っております。 |